食事の時間で気持ちを切り替え、自分軸を取り戻す
こんにちは!
いつもご覧いただきありがとうございます。
皆さんは食事をする時、何をしながら、何を見ながら、何を聞きながら、食事をいただいていますか? ほとんどの方は何かしらの「ながら食い」をされていると思います。
前回のブログでは、食の基本である「自分の身体は食べたものでできている」のメカニズムを整理し、食べ物の消化・吸収、栄養素の最終的な行き先について、考えてみました。
そこで、
次に気になったのは、食事中の感情が消化・吸収に与える影響について。
イライラしてつい食べ過ぎたり、落ち込んで食欲がなくなったり、他のことに気を取られて満腹感を感じなかったり、皆さんもご経験がありますよね?
少なからず消化・吸収にはあまりよくないのでは?と想像できます。
今回はそのあたりを中医学(東洋医学)の「五志と五臓」、生化学では「自律神経」の働きから解説したいと思います。結局、どちらも言ってることは一緒。とても興味深いです。
よろしければ、こちらも併せてご覧ください。
kanonhappyhealth.hatenablog.com
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食事の時間で気持ちを切り替え、自分軸を取り戻す!
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1.イライラも考えすぎも、消化・吸収に悪影響
中医学(東洋医学)では、人間の感情や思考は内臓と深く、密接に関わっているといわれ、喜・怒・思・憂・恐の五志は、心・肝・脾胃・肺・腎の五臓に影響を与えます。
人間ですからいろいろな感情が湧き出てくるのは当たり前なので、ある程度の範囲なら問題ありません。しかし、激しく揺さぶられたり、範囲を超えた状態が続くと身体の内部を傷つけ、病気の原因を作ってしまいます。
消化・吸収に関わる五志は「怒」と「思」、五臓は「肝」と「脾胃」です。
*肝:臓器の肝臓のことだけでなく、その働きである排泄・解毒などをコントロールする機能も司る。
*脾胃:消化器官のことを指し、食べ物を消化、水穀精微(栄養素)を吸収し、全身に運ぶ役割までを司る。
これらの漢字を見ただけでも、何となく想像できますよね? その関係性を分かりやすくしたのが下の図です。
この図は「陰陽五行説」で五臓がお互い影響し合っていることを表しています。助ける関係性(相生)、強すぎると相手を傷つけてしまう関係性(相克)など、お互い行き過ぎることがないよう、ちょうどいいバランスで調和がとれていると身体の調子がいい、健康を維持できている状態です。
①②を説明すると
①イライラがあると ➡ 「脾胃」に悪影響 ➡ 食欲不振、お腹が重い、胃腸の不快感などを招く
②思い悩み考えすぎると ➡ 「脾胃」に悪影響 ➡ 食欲不振、お腹が重い、胃腸の不快感などを招く
③の矢印は?
③「脾胃」の調子が悪い ➡ 「腎」に悪影響 ➡ 老化が早く進む
「腎」は「脾胃」で生まれた水穀精微(栄養素)を源に、成長や発育を促します。脾胃の調子が悪く、質のよい水穀精微が送られてこないと、新陳代謝が滞り、足腰が弱くなったり、肌の老化、トイレが近くなるなどの老化を早めてしまう原因になります。
何となく胃腸の調子が悪い、食欲がない、という表面的なことだけではなく、身体に必要な水穀精微(栄養素)が作れないことのほうが、のちのちの影響は大きくなります。食事中はできるだけいい精神状態でいたいですね。
生化学(西洋医学)で説明すると
胃腸の働きは、自律神経(交感神経・副交感神経)が大きく関わっています。
簡単にざっくり説明しますね。
ストレスを感じると、交感神経が優位になり、いわゆる緊張状態になるため胃腸の働きが悪くなります。逆に、思い悩み考えすぎると、副交感神経が優位になり、胃酸が過剰に出て胃を荒らしてしまいます。結果、消化吸収が十分に行われないため、栄養障害が起きます。
このストレスというのが中医学(東洋医学)でいう「怒」のこと、思い悩み考えすぎるのは「思」と同じなのです!
いずれにしても、感情と消化吸収は切っても切り離せない関係。胃腸って皆さんが思うよりもずっと繊細な臓器なんです。
2.食事を味わい尽くし、「喜」の感情を消化・吸収の味方に
先ほど、「陰陽五行説」で五臓がお互い影響し合っているとお話しました。その関係性を上手く使えば、脾胃の消化吸収を助けることが可能です。
それが「喜」の感情です。しかし、ここで注意しなければいけないのが、興奮するような、激しく喜ぶようなことは逆効果です。
統合医療のパイオニア的存在であるアンドルー・ワイル博士の言葉をお借りすると
消化器系は精神状態を反映する鏡だ。だからストレスによって、じつに多くの消化器疾患が生じている。不安なとき、気が散っているとき、いくらいいものを食べても、からだが十分に消化してくれない。
いつもラジオでニュースを聞きながら、テレビを見ながら、あるいは仕事の話をしながら食べていれば、栄養をいただいていることにはならないのだ。
何を食べるかよりも、食べているときに何をしているかの方が重要かもしれない。消化活動は、食べ物を味わいつくし、食べることの快楽をこころゆくまで味わったときに、いちばん効率よく働くものなのである。
ワイル博士が語る「食べることの快楽」こそ、「喜」の感情です。
一日一食、20~30分の食事の時間を、食べることに集中してみませんか?
感情を乱れさせるものから離れ、ちょっと前まで抱いていたネガティブな思考も横において、今ここに集中するのです。目の前の食事を五感を使ってゆっくり味わい、心の底から食事を楽しんでください。
外であったいろいろな感情もリセットされ、心を整える時間にもなります。
これまでのながら食いでは感じることができなかったことに気づくかもしれません。何に気づくかは人それぞれ、そんな変化も楽しんでいただけると幸いです。
続きはまたの機会に。
★★★最後までお読みくださりありがとうございます。
皆さんも私も、今日が一番若い。新しいチャレンジを応援します!
*参考文献*
「薬膳教本」岡本清孝著,「ワイル博士のナチュラルメディスン」アンドルー・ワイル著などなど
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「自分の身体は食べたものでできている」を生化学と中医学で説明すると
こんにちは!
いつもご覧いただきありがとうございます。
前回のブログで、2021年は食の力で「自分軸と心の落ち着きを取り戻す」ための食のアイデアを発信していきたいとお伝えしました。
こちらも併せてどうぞお読みください。
kanonhappyhealth.hatenablog.com
「自分軸と心の落ち着きを取り戻す」食事をするためには、食の基本である「自分の身体は食べたものでできている」のメカニズムを整理する必要があると思いまして、
病気の治療においてアプローチが異なる西洋医学と中医学(東洋医学)が、食べ物の消化・吸収、栄養素の最終的な行き先について、それぞれどのような説明をしているのかを検証することにしました。西洋医学のほうは生化学で説明します。
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食べたもの最終的な行き先は、生化学では「細胞」、中医学では「気・血・津液」だった!
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1.食べたものがどこに行くのかフロー図にしてみた
ざっくりとしたフロー図ではありますが、同じ人間の消化・吸収を説明しているとは思えないほど、まったく異なる内容になりました。
病気治療のアプローチが異なるのも納得がいきます。
生化学(西洋医学)で説明すると
胃酸や消化酵素などの働きによって分解・消化された消化物から栄養素(糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン類、ミネラル類など)を吸収するのは小腸。
栄養素は血液によって運ばれ、約60兆個あるといわれる「細胞」一つひとつに届けられます。
食べたものの行き先、最小単位 ➡「細胞」
脾・胃・小腸の働き(詳しい説明は省きます)によって、生成された水穀精微(すいこくせいび)は、気の巡りにのって心・肺に運ばれます。
心・肺の作用により「気」「血」「津液」が作られ、それぞれの形で全身を巡ります。
食べたものの行き先、最小単位 ➡「気」「血」「津液」
気=エネルギー、血=栄養素を含んだ粘性の液体(血液)、津液=栄養素を含んだ水分(体液やリンパ液など)を指します。
中医学は用語が難しいので、もう少し解説を加えます。
栄養素の消化・吸収のフロー図に、なぜ心・肺が出てくるのか?
「心」は西洋医学でいう心臓のことだけでなく、血液の巡りや働きも含まれています。「肺」はいわゆる臓器の肺だけではなく、呼吸のコントロールまでが範囲になっています。
ここが面白いところですが、消化物である水穀精微を身体の中で生かす形(気・血・津液)にするためには、血液と酸素の働きが欠かせないことが、消化・吸収の流れに組み込まれているのです。
生化学に話を戻します。
もちろん生化学においても、小腸で吸収された栄養素を細胞に運ぶ際、血液の質や巡り、酸素の働きが欠かせないのは当たり前のことなのですが、消化・吸収のフローの中で、それらを表現することはほとんどありません。
それぞれ別の項目として扱われ、流れというよりも部分やパーツごとの説明になりますので、どうしても全体像として捉えにくく、食べたもの=細胞を作る、という関係性が遠くていまいち繋がらないというのが個人的感想です。
2.生化学的に身体にいい食事=健康的な「細胞」を作るため
食べたものの行き先、最小単位 ➡「細胞」ですから、
生化学でいう身体にいい食事とは、健康的に働く「細胞」を作るためのものです。
ここでは細かいことは抜きにして、ざっくり考えると
1.細胞は質のよい栄養素で作りたい。添加物や汚染されたものを入れたくない。
2.栄養素の偏りがなく、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン類、ミネラル類など、いろいろな栄養素が摂れる食事を心がける。
3.消化酵素は年齢を重ねると働きが弱くなるので、消化に負荷がかかったり、時間がかかる食事は控えめにする。そのほうが胃腸にも負担が少ない。
3.中医学的に身体にいい食事=質のよい「気・血・津液」を作るため
食べたものの行き先、最小単位 ➡「気」「血」「津液」ですから、
中医学でいう身体にいい食事とは、質のよい「気」「血」「津液」を作るためのものです。
ここでは細かいことは抜きにして、ざっくり考えると
1.気・血・津液は質のよい材料で作りたい。添加物や汚染されたものを入れたくない。
2.気・血・津液の3つのバランスを崩さないよう、さまざまな成分を偏りなく摂れる食事を心がける。
3.消化・吸収には全身の機能が関わっているので、身体の中の巡りを常にスムーズにしておく。巡りを滞らせるような食事は控えめに。
どちらの考え方にしても、何か一つの栄養素や成分が全体の流れを一気によくするのは難しいことだと分かります。身体の中ではダイナミックな流れが途切れることなく続いていますから。
まずは、そのダイナミックな流れに逆らわず、スムーズにすることが「自分軸と心の落ち着きを取り戻す」食事のヒントになりそうです。
続きはまたの機会にお伝えいたします。
余談になりますが、
・部分を繋げて全体を捉えようとする生化学
・全体の流れから部分を捉えようとする中医学
の違いをあらためて整理することができました。
★★★最後までお読みくださりありがとうございます。
皆さんも私も、今日が一番若い。新しいチャレンジを応援します!
*参考文献*
「薬膳教本」岡本清孝著,「初めの一歩は絵で学ぶ 生化学」生田哲著など
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食の力で「自分軸と心の落ち着きを取り戻す」
こんにちは!
いつもご覧いただきありがとうございます。
2020年は大変な一年でしたね。多くの事柄について、大きな変化を求められ、それに対応するだけでいっぱいいっぱいだった方も多かったのではないかと思います。
私は分刻みで更新されるニュースや情報に振り回されることもあり、
いつもソワソワと落ち着かない
今ここにいない
自分軸がどこかに流されてブレまくった
などという時もありました。
皆さんも同じようなことがありませんでしたか?
そんな中、ふと、私は食や健康の分野で仕事をしているのに、その知識や経験を自身の食生活に上手く活かせていないし、ご縁があってこのブログを読んでくださっている方にも役立つ情報としてシェアできてない、と過ぎた時間を悔やみました。
混乱が続きそうな2021年、
食の力で「自分軸と心の落ち着きを取り戻す」ことはできないだろうか・・・。
今年はそのための勉強や実験を続けて、ブログやインスタなどで皆さんにお伝えしていきたいと考えています。
食の基本は「自分の身体は食べたものでできている」。
やはりこれは外せません。
基本に立ち返りながら、今まで自分なりにやってきたことを再確認するプロセスを通じて、「自分軸と心の落ち着きを取り戻す」を実現する食のアイデアを発信できればと思っています。
今回は、このようなことを考えるきっかけになった食に関する言葉たちをご紹介します。
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エビデンスやデータ、数値だけじゃない「食の力」とは?
- 1.食事という何の変哲もない行為の中にも人格形成の道が隠されているー『禅・食と心』上田祖峯著
- 2.人間の身体は自然万物との調和の上に成り立っているー『薬膳教本』岡本清孝主著
- 3.知性ではなく感性で食べようー『ワイル博士のナチュラルメディスン』アンドルー・ワイル著
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1.食事という何の変哲もない行為の中にも人格形成の道が隠されているー『禅・食と心』上田祖峯著
食生活を正しく真心のままに整えられるならば、そこに人間としての悟りがあり、人格形成も同時に食生活の中で完成されていくというのである。人格の完成というものに特別な決まりが必要というわけではなく、日常生活の中、とりわけ食事という何の変哲もない行為の中にも人格形成の道が隠されているというのである。
『禅・食と心』は、700年以上も前に道元禅師により記された『典座教訓(てんざきょうくん)』の教えを現代の社会生活に活かすよう訳された名著。上記の文言は『維摩経(ゆいまきょう)』の一部を引用した『赴粥飯法(ふしょくはんぽう)』の冒頭に書かれている一文の現代訳です。
2.人間の身体は自然万物との調和の上に成り立っているー『薬膳教本』岡本清孝主著
”人と天地とは相参ずるものであり、日月とは相応ずるものである”と《黄帝内経(こうていだいけい)》は説いています。人は自然界の中で生活をしていて、外部環境から離れることはできません。つまり、人体と自然界の変化は、相互に適応しています。(途中省略)
また、人体は有機的整体であるが故に、各臓器、各器官はそれぞれ異なった機能を持っており、それで生命を維持しているのです。だから、人間の身体は自然万物との調和の上に成り立っています。
私が国際薬膳師の資格を取得するために通っていた学校のテキストより引用。
自然のエネルギーを体内に蓄積することが、人間の身体の内部に、病気に対する抵抗力や自然治癒力を作りだす原動力になる、とも説いています。その季節にとれる旬の作物を食べる大切さを中医学の薬膳より学ぶことができます。
3.知性ではなく感性で食べようー『ワイル博士のナチュラルメディスン』アンドルー・ワイル著
味覚と嗅覚はからだにいいかを教えてくれる優秀なガイドである。それを信用することだ。感覚を磨き、感覚に注意を払って、からだの知恵に耳を傾けることだ。
嫌いなのに「からだにいい」からと考えて食べたとしても、からだの知恵に耳を傾けたことにはならない。(途中省略)
何よりも自分の感覚に訴えるもの、からだが喜ぶものを食べるべきである。
西洋医学と自然療法などの代替医療を組み合わせた統合医療のパイオニアであるワイル博士。著書の中でも『癒す心、治る力』は医学の革命書ともいわれています。私の心の師、何冊も読ませてもらっています。
自分の感覚を信じて身体が喜ぶ食事というのは、好物だからといってケーキや揚げ物を毎日食べてもいいということでありません。この件は今度改めて解説いたします。
「自分の身体は食べたものでできている」というのは、データやエビデンスだけではない、食の力の奥深さを活かすことだとワイル博士から教えてもらっています。
このブログは、40代以上の女性のための健康情報をお届けしていますが、私も同じような年代です。身体の悩みや健康のことなど共感できる部分も多いと思いますので、これからもお付き合いいただけると心強いです。
よろしくお願いします!
★★★最後までお読みくださりありがとうございます。
皆さんも私も、今日が一番若い。新しいチャレンジを応援します!
*参考文献*
「禅・食と心」上田祖峯著、「薬膳教本」岡本清孝著,「ワイル博士のナチュラルメディスン」アンドルー・ワイル著など
*免責事項*
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