「自分の身体は食べたものでできている」を生化学と中医学で説明すると
こんにちは!
いつもご覧いただきありがとうございます。
前回のブログで、2021年は食の力で「自分軸と心の落ち着きを取り戻す」ための食のアイデアを発信していきたいとお伝えしました。
こちらも併せてどうぞお読みください。
kanonhappyhealth.hatenablog.com
「自分軸と心の落ち着きを取り戻す」食事をするためには、食の基本である「自分の身体は食べたものでできている」のメカニズムを整理する必要があると思いまして、
病気の治療においてアプローチが異なる西洋医学と中医学(東洋医学)が、食べ物の消化・吸収、栄養素の最終的な行き先について、それぞれどのような説明をしているのかを検証することにしました。西洋医学のほうは生化学で説明します。
=======================================
食べたもの最終的な行き先は、生化学では「細胞」、中医学では「気・血・津液」だった!
=======================================
1.食べたものがどこに行くのかフロー図にしてみた
ざっくりとしたフロー図ではありますが、同じ人間の消化・吸収を説明しているとは思えないほど、まったく異なる内容になりました。
病気治療のアプローチが異なるのも納得がいきます。
生化学(西洋医学)で説明すると
胃酸や消化酵素などの働きによって分解・消化された消化物から栄養素(糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン類、ミネラル類など)を吸収するのは小腸。
栄養素は血液によって運ばれ、約60兆個あるといわれる「細胞」一つひとつに届けられます。
食べたものの行き先、最小単位 ➡「細胞」
脾・胃・小腸の働き(詳しい説明は省きます)によって、生成された水穀精微(すいこくせいび)は、気の巡りにのって心・肺に運ばれます。
心・肺の作用により「気」「血」「津液」が作られ、それぞれの形で全身を巡ります。
食べたものの行き先、最小単位 ➡「気」「血」「津液」
気=エネルギー、血=栄養素を含んだ粘性の液体(血液)、津液=栄養素を含んだ水分(体液やリンパ液など)を指します。
中医学は用語が難しいので、もう少し解説を加えます。
栄養素の消化・吸収のフロー図に、なぜ心・肺が出てくるのか?
「心」は西洋医学でいう心臓のことだけでなく、血液の巡りや働きも含まれています。「肺」はいわゆる臓器の肺だけではなく、呼吸のコントロールまでが範囲になっています。
ここが面白いところですが、消化物である水穀精微を身体の中で生かす形(気・血・津液)にするためには、血液と酸素の働きが欠かせないことが、消化・吸収の流れに組み込まれているのです。
生化学に話を戻します。
もちろん生化学においても、小腸で吸収された栄養素を細胞に運ぶ際、血液の質や巡り、酸素の働きが欠かせないのは当たり前のことなのですが、消化・吸収のフローの中で、それらを表現することはほとんどありません。
それぞれ別の項目として扱われ、流れというよりも部分やパーツごとの説明になりますので、どうしても全体像として捉えにくく、食べたもの=細胞を作る、という関係性が遠くていまいち繋がらないというのが個人的感想です。
2.生化学的に身体にいい食事=健康的な「細胞」を作るため
食べたものの行き先、最小単位 ➡「細胞」ですから、
生化学でいう身体にいい食事とは、健康的に働く「細胞」を作るためのものです。
ここでは細かいことは抜きにして、ざっくり考えると
1.細胞は質のよい栄養素で作りたい。添加物や汚染されたものを入れたくない。
2.栄養素の偏りがなく、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン類、ミネラル類など、いろいろな栄養素が摂れる食事を心がける。
3.消化酵素は年齢を重ねると働きが弱くなるので、消化に負荷がかかったり、時間がかかる食事は控えめにする。そのほうが胃腸にも負担が少ない。
3.中医学的に身体にいい食事=質のよい「気・血・津液」を作るため
食べたものの行き先、最小単位 ➡「気」「血」「津液」ですから、
中医学でいう身体にいい食事とは、質のよい「気」「血」「津液」を作るためのものです。
ここでは細かいことは抜きにして、ざっくり考えると
1.気・血・津液は質のよい材料で作りたい。添加物や汚染されたものを入れたくない。
2.気・血・津液の3つのバランスを崩さないよう、さまざまな成分を偏りなく摂れる食事を心がける。
3.消化・吸収には全身の機能が関わっているので、身体の中の巡りを常にスムーズにしておく。巡りを滞らせるような食事は控えめに。
どちらの考え方にしても、何か一つの栄養素や成分が全体の流れを一気によくするのは難しいことだと分かります。身体の中ではダイナミックな流れが途切れることなく続いていますから。
まずは、そのダイナミックな流れに逆らわず、スムーズにすることが「自分軸と心の落ち着きを取り戻す」食事のヒントになりそうです。
続きはまたの機会にお伝えいたします。
余談になりますが、
・部分を繋げて全体を捉えようとする生化学
・全体の流れから部分を捉えようとする中医学
の違いをあらためて整理することができました。
★★★最後までお読みくださりありがとうございます。
皆さんも私も、今日が一番若い。新しいチャレンジを応援します!
*参考文献*
「薬膳教本」岡本清孝著,「初めの一歩は絵で学ぶ 生化学」生田哲著など
*免責事項*
当サイトのコンテンツや情報において、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めています。しかし、誤情報が入り込んだり、情報が古くなったりすることもあります。必ずしも正確性を保証するものではありません。また合法性や安全性なども保証しません。当サイトで掲載している画像の著作権や肖像権等は、各権利所有者に帰属します。当サイトに存在する、文章や画像、動画等の著作物の情報を無断転載することを禁止します。引用の範囲を超えるものについては、法的処置を行います。転載する際には、お問い合わせよりご連絡いただけますようよろしくお願い致します